ケース別に見てみましょう
ケース1 転職
病棟勤務だったAさんは、日勤・夜勤・過度な残業・勉強会・研修など目が回るような忙しい毎日を送っていました。看護師3年目を迎えたころ、だんだん自分の時間も欲しいと考えるようになったそうです。しかしそのころはプリセプターを任され、新人教育が楽しく感じていたため「転職」なんて頭に無かったとのこと。しかし4年目になると、やっぱり時間に余裕が欲しいという思いがますます強くなります。そこで出会ったのが、病院に治験コーディネーターとして来ていた女性。詳しく仕事内容を聞いたりと、その女性と話すようになってから自分の視野が広がるのを実感したそうです。今までのお仕事とはガラッと変わりますが、看護師として培った経験や知識を元に活躍できることを知り、看護師5年目で治験コーディネーター(CRC)の道へ進んだそうです。さらに決め手になったのが、残業なしの土日休み。自分の時間をしっかり確保できる勤務形態だったので、転職して3年経った今でも長く続けられているそうです。
ケース2 資格取得
Bさんが最初に配属された科目は整形外科です。リハビリをがんばる患者さまの精神的なサポートに努め、目に見えて回復が分かる整形外科にやりがいを感じていたそうです。しかし、2年目に転機が訪れました。外科への配属が決まったのです。そこは、がんで入院している患者さまがほとんど。放射線療法や化学療法などの治療で辛い日々を送っています。患者さまから八つ当たりされるのは当たり前。終末期の患者さまに至っては、軽々しい言葉をかけられる雰囲気ではありません。整形外科で楽しい日々を過ごしていたときとは180度一変し、配属されて早々すっかり自信をなくしてしまったそうです。しかし、Bさんは諦めませんでした。東京で開かれたセミナーで認定看護師という存在を知り、緩和ケアのスペシャリストを目指そうと決意するのです。受験資格が満たされるまで、ずっと外科の看護師として頑張りました。そして看護師8年目にやっと認定看護師になる夢を見事に叶えたそうです。
ケース3 育休後の職場復帰
Cさんは、看護学校卒業後付属の大学病院に入職しました。病棟勤務のため当然夜勤があります。新人だったため、さらに勉強会や研修会などの参加もしなければいけない立場です。半年たらずで体調を崩してしまい、そのまま退職。体調が回復してからは、日勤のみで活躍できるクリニックへ入職しました。入職後3年目を迎えたタイミングで妊娠が発覚。Cさんに仕事を辞めるという考えはなかったものの、クリニックには産後・育児休暇などの休暇制度が整っていなかったそうです。泣く泣く退職を決意し、なんと以前勤めていた大学病院へもう一度入職したとのこと。その病院には子育て支援制度が整っていたため、2人目ができた今でも制度を利用し、無理なく仕事と家庭の両立を行っているそうです。